その日、屯所内で赤ん坊の泣き声が響き渡った。

それがこの物語の始まりの鐘となることを……今は誰も知らない。









親父は誰だ!? ベイビーパニック!

〜初めましては桜の下で〜









和やかな春の陽気に照らされた屯所は、暖かでのんびりとした雰囲気だった。
いつもなら大志達の訓練の声や幹部達(某副長中心)の怒号が響いたりしているが、その日は本当に和やかだった。

そんな中、突如響き渡った声。
おおよそこの場所に一番相応しくない声。


「うっ、うぇぁぁぁあぁ」

小さな子どもの泣き声は穏やかな屯所をとんでもない戦場へと変える開戦の合図となる……





「何?今の泣き声」(沖田総司)

「俺も聞いた!何でこんなとこに?」(藤堂平助)

「たしかこっちからだったよな」(原田左之助)

「……向こうだ」(斎藤一)

「なんだ、なんだ?誰が赤ん坊なんて連れてきやがったんだ?」(永倉新八)

「お前ら……揃いも揃って野次馬か」(土方歳三)

「おや、そういう土方君も来ているじゃないですか」(山南敬助)

「何の騒ぎですか」(山崎烝)

「なんだ皆して…何かあったのか?」(近藤勇)



いつのまにか、わいわいと大人数が集まっている庭先。

「あれ?あの桜の木の下に居るのって……千鶴ちゃん?」

そして沖田が指さす方には……この屯所に居候している雪村千鶴が立っていた。

「おい、雪村…そんなところで何をしている?」

この大人数が背後にいるというのに、こちらを振り向こうともしない彼女に土方が声をかけた。

「千鶴!さっきこの辺で赤ん坊がいなかったか?声が聞こえたんだけど」

土方の声にも振り向こうともしない千鶴に、今度は藤堂が声をかけるが反応は無い。

「おい、千鶴……どうかしたのか?」

原田がその肩をつかんだ瞬間だった。

「うわう…ちー!ちー!」

愛らしい子供の声が聞こえた。



『…え』


そして振り返った千鶴の腕の中には……


「み、皆さん……」

1〜2歳の子供が笑っていた。










………



「まさか…千鶴ちゃんの子供か!?」

「な、何をばかなことを言っているんだ永倉君!彼女はまだ子供だろう!」

目を飛び出さんばかりに驚いた永倉と、彼の言葉に顔を真っ赤にして怒鳴る近藤。


「……雪村、その子どもはどうしたんだ」

「いったい誰の子供なんですか」

静かに現状の把握に努める斎藤と山崎。


「おや、可愛いですね」

「おいおい…山南さん、そんな悠長なこと言ってる場合じゃねぇだろ」

赤ん坊を見てなごむ山南と、それに突っ込みつつ子供を観察する土方。




そして……



「で、誰の子供なの?」

「千鶴の子供じゃないんだよな!?」

「そんなわけねぇだろ。そんな素振りはなかったし……」

千鶴に詰め寄る沖田、藤堂、原田。




「………」

そんな彼らを見ながら…千鶴本人もどうしたらいいかわからないように呆然としていた。

「千鶴ちゃん?」

「千鶴?」


なぜならば……



「………あの…この子…私の子共…らしいんです」







その声は葉が風に揺れるように小さかったが、騒がしかった庭先は一瞬にして静まり返り…そして、












「…ええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!!!!!!!!!」




大合唱に続いた。






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ルートありの原作無視のドタバタギャグにしたいと考えております。

↑の説明
子供の親に誰がなった場合の話とか考えたいな
斎藤さんならとか、沖田さんが…とか

原作風味だけど原作とは違う。(例:山南さんが優しい。(腕負傷せず的な)でもマッド/笑)

キャラ崩壊しすぎ。基本全員千鶴と子供にメロメロ(死語)


ちなみに……近藤さんとか他サブキャラを入れたのは気まぐれ。
基本的にあの五人(新ぱっつあんどうしよ)
でも皆メロメロになっちゃえばいい。バンバン参戦すればいい。
意外なあの人落ちとかやってみたいかも。


もちろんあの方々も参戦予定。(某鬼の首領や、子供の伯父さん的な位置の人/爆)

2月1日 風舞 葉