今日は貴方の好きな貫ける様な青空です。
貴方も……見ていますか?
貴方はもう向こうに着いたころでしょうか?
きっと素晴らしいところなのでしょう。
便りでも欲しいですが、きっと貴方は書くのが面倒だとくれないでしょうね。
貴方は言っていましたね。
地獄に行くだろうって。
だけど思うんです。
その扉の向こうはきっと、暖かな世界だって。
だって私がそう祈っていますから。
雲ひとつない様な、貫けるほど晴天の今日は、
悲しいくらいに……別れ日和と言えるかも知れません。
それでも、貴方が向かう世界もきっとこんな天気の様な場所であるように……
私はここで祈っています。
最後に貴方に聞いたこと、怒っていますか?
でも貴方はそんな私に笑ってくれました。
『幸せでしたか?』
貴方は最後まで意地悪でしたね。
またいつの日か出会えると信じているから、言葉にしなかったのでしょう?
だから私も信じます。
それだけでこれからの日々も変わらずにやり過ごせると思うから……
総司さん。
貴方に出会うまで私の人生はありふれたものでした。
貴方や新選組の皆さんに出会って、私は本当によかったと思います。
でも、やっぱり……
貴方に出会えて本当によかった。
貴方は私の最初で最後の恋でした。
そう言えば貴方は怒るでしょう。
「君の人生はまだ続くんだよ」って。
でも、分かるんです。
私の人生を赤く色付ける様なこんな……たおやか恋はきっとない。
貴方と一緒に居られて、 幸せでした。
貴方と歩んでこられて、 幸せでした。
貴方と支え合えて、 幸せでした。
貴方のそばに居てくれて、幸せでした。
貴方が私を愛してくれて……幸せでした。
でも心配しないでください。
貴方は傍にいるんですよね?
なら私は笑っています。
貴方に心配なんて掛けたくないですから。
貴方の体はこれから煙となり雨となり、この世界に変わります。
温かな日差しも、冷たい雨も、この世界の何もかもが貴方に変わる。
そう思うと常に貴方に抱きしめられているようで、少し恥ずかしいです。
そんなを私を貴方は笑うでしょうか?
そんなことないですね。
貴方はきっと、
時に風となって私を包み、
時に雲となって上から私を見ているんでしょう。
掴めないところは相変わらずですね……
ああ……扉が閉まります。
貴方の魂はそこには無いのだけれど、
貴方と二度目のお別れの様でとても辛いです。
でも泣きません。
貴方に貰ったものの中に、涙を流すようなものは何一つ無い。
だから私は笑顔で見送らなければ。
……ならないのに、泣き虫な私を許してください。
それでも……忘れませんから。
貴方に貰ったものを、
沢山の愛を、
私は、けして忘れません。
だから、貴方も忘れないでください。
『貴方を愛してます』
だからまたいつか……
再会の日を楽しみにしています。
私がそちらに行った時は、
あの言葉の返事を聞かせてくださいね?
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初音ミクの『サ/イ/ハ/テ』引用
前に書いた沖田の話の千鶴ちゃんサイド。
この歌はもとから私の大好きな歌だったんですけど、ポップなのに悲しい感じが千鶴ちゃんに近いんじゃないかと思い、書いてみました。
幸せな終わりだからこその、残される寂しさ。
そんな感じが伝わればいいなぁと思います。
2月20日 風舞 葉