「ただいま」

そう言ってリビングのドアを開けると、

「あ、おかえり〜」

ソファーでゴロゴロとテレビを見ていた奥さんが顔を向けた。






奥様は新選組(by沖田総司)







「千鶴ちゃん、お疲れ様」

ニコッと笑う奥さんに普通なら『玄関まで迎えに来いよ』と思うところなのだが、千鶴は違った。

「総司さん…w」

主人に呼ばれた犬の如く駆け寄り、奥さんをムギュっと抱きしめた。

「わっ…何?何かあったの?……まさか、風間に何かされたんじゃ……」

帰宅早々のハグに内心喜びながらも、旦那を気遣う妻。
そして某社長の名前を口に出した瞬間、確かな殺気を放った。

……無論、千鶴は気づかないが。

「え?別に何もないですよ?風間さんにもよくしてもらってるし……」

「………」

首をかしげる可愛い夫に一抹の……いや、日頃からの不安がよぎる。
この旦那は可愛すぎる。
老若男女問わずの愛されっぷりは妻として、果ては保護者(?)として心配だ。


「……ただ……」

「何?やっぱり何かあったのかい?風間じゃないなら……あの女社長がまた君を狙ってきたんじゃ……」

「だから…お千ちゃんは友達だって…」

「むぅ…」

あの女社長は前から千鶴にちょっかいを出す。
友達だと言っているが……どうだか。



この奥さん、彼に近づく者は誰構わずに妬いてしまう。





「総司さん?」

「やっぱり専業主婦なんて僕には向いてないよ…待ってるだけなんて性に合わない」

「……」

そう言って俯く奥さんに千鶴は困ったように笑った。
彼女は結婚を機に組を抜けた。
だが理由は他にもある。……彼女の病気だ。

「……総司さん。……大丈夫です!治らない病気じゃないんですから!!治ったら復帰すればいいじゃないですか!それにいろんな所も行きましょう?ね?」

本当は組に戻って欲しくはない。
しかし、彼女を縛ることなんてできないことは千鶴にはよくわかっていた。

「………君ってさ」

俯いていた顔を上げてクスリと笑った彼女はとても優しくて綺麗だった。

「ホント面白いね……大好きだよ」

「……///////」


二人でいれば幸せ。
それをしみじみと感じる二人だった。




ちなみに


「じゃあ、どうして抱きついてきたりしたの?」

「………」

「千鶴?」

「……総司さんが…恋しくて…」

「………///」



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もう勝手にやってろ

しかし、なぜだろう……
千鶴が男の方が甘いのを書ける……なにゆえ!?