「おいおい……こんなにいるのかよ…」
「あれ、今日の補習は土方先生なんですか?やだなぁ…」
「俺だって面倒なんだよ。なんだって授業以外でこんなことに時間を潰されなきゃなんねぇんだ……」
「先生ー!それ教師が言っていいんですか〜」
「うるせぇぞ、平助!おら、席に着きやがれ!」
今日はこの間のテストで悪かった奴らの補習を俺が見てやらなければならない。
それでなくても忙しいと言うのに……大体、何でうちのクラスは平均がこんなに悪いんだ……
「今日はこのプリントをやってもらう。分からないとこがあったら聞けよ」
「はーい、先生。僕帰ってもいいですか?」
「いいわけねぇだろボケ!」
完全にやる気ゼロのこの生徒は、沖田総司。
色々と問題ばかり起こしてくれる何とも気に食わない奴だ。
「うへぇ…こんな難しいの出来るわけねぇじゃん!」
「できねぇわけねぇだろ!この前のテストに出てた奴だぞ!?」
こっちは藤堂平助。
スポーツは抜群だが……馬鹿だな。
「なんでこんな短縮の放課後まで勉強やんなきゃなんねぇんだよ…」
「お前がもっと勉強してりゃこんなことにはならなかっただろうよ」
「あー、クソ!勉強なんか大嫌いだ!」
馬鹿2。永倉新八。
体はデカイがお頭は小さい……かと思えばいらんところで発揮するおかしな奴。
でも基本は馬鹿だな。
「あーあ。あの問題さえ間違えてなきゃ、今頃帰れたってのに」
「お前は……やればできんだから赤点スレスレを狙ってんじゃねぇ!」
「勉強なんてめんどいだけじゃねぇか」
「……俺をなめてんのか?」
コイツは馬鹿3。原田左之助
と言っても、やりゃ出来る奴なんだが……本人にやる気がねぇのが問題だ。
そして……
「お前は災難だったな。まさか当日に風邪をひくとは」
「いえ。俺の健康管理が悪かったせいです」
この真面目な男は斎藤一。
いつもならば赤点とは無縁の男だが、今回ばかりは仕方無い。
「んで、」
教室を見回し、最後の一人を見ると恐縮したようにうつむいていた。
「お前は何で赤点とっちまったんだ?」
「す、すみません!!」
雪村千鶴。
うちのクラスじゃ結構いい点を取る優秀な奴のはず。
なのに……
「なんか原因でもあるんじゃねぇのか?斎藤みたいによ」
「土方先生、知らないんですか?千鶴ちゃん結構馬鹿なんですよ?」
雪村は下を向いたままで、何故か沖田が答えた。
「テメェには聞いてねぇ」
「あはは。生徒にテメェとか言ってもいいんですか?PTAに訴えちゃいますよ?」
てか、いっそ辞めてください。とか言いやがる。
「テメェはホントに可愛げのねぇ……もういい。さっさとプリントを始めろ」
沖田に背を向け教卓に戻る間も、
「ホント辞めればいいのにね。なんならホントにPTAに訴えちゃう?」
「お、沖田さん……」
ああ……教師を辞めたらまずこいつをぶん殴りてぇ……
その後も……
「センセー!わかんねぇ!」
「藤堂、そこはさっき教えただろうが!!」
「さっきとは違う問題じゃん」
「答え方は同じだ。応用力ってもんはねぇのか!」
「おうようりょくって何?おいしいの?」
「馬鹿にしてんのか、テメェは……」
「此処がわかんねぇんだけど」
「だから……そこはだな……」
「あ、なるほどねぇ。いやー土方先生は教えるのが上手いねぇ!」
「……永倉、褒めてねぇで解いてみろ」
「おう!えーと……あれ?」
「全然わかってねぇじゃねぇか!」
「終わったぜ?」
「どれ、見せてみろ」
「……原田」
「あ?」
「なんでお前、半分しかやってねぇんだ!」
「そんだけ出来てれば赤点は免れるだろ?もう帰ってもいいか?」
「これはテストじゃあねぇ!!!」
「終わりました」
「ああ………」
「……大丈夫ですか?」
「大丈夫だ。慣れている……よし。斎藤は帰っていいぞ」
「ありがとうございました」
「おう。気をつけてな……ってそうだ。お前なんで風邪なんて引いたんだ?」
「………雨にぬれて」
「雨?そういや前日に降ってたな。傘を忘れたのか?」
「……実は…」
「どうした」
「……猫に傘を貸しました」
「………お前も馬鹿だな…ある意味……」
「先生……」
「なんだ?どうした雪村」
「ここが…その…」
「ん?ああ。そこか。ここはだな…」
「ちょっと、先生!千鶴ちゃんに近づきすぎじゃないですか?」
「ああ?別に普通だろうが」
「千鶴ちゃん、分からないとこがあるなら僕に聞きなよ。なんでも教えてあげるからさ」
「赤点が何言ってんだ」
「馬鹿だなぁ。僕がたかがテストで本気になるわけないじゃないですか」
「テメェ……」
「ほら、勉強は帰ってからやろよ。僕が手取り足取り教えてあ・げ・る」
「ちょっ!沖田さん!?」
「おいこらテメェ等!!」
雪村の手を引いて教室を出ようとする沖田を止めようと手を伸ばすが……
「すみませんね。僕も千鶴ちゃんも前日にちょっとヤリ過ぎちゃった所為で赤点取っちゃったんですよ……だから補習は必要ないですよね?」
そう言ってニヤリと笑う奴に思わず体が固まる。
その隙に……
「それじゃ、お先にー」
「お、沖田さんー!!」
二人はあっという間に居なくなりやがった……
「……おい、いつからあいつ等はそんな仲だったんだ」
「うーん…付き合ってるって噂は聞いてたけどまさか其処までとは……」
「ええーー!!千鶴って総司と付き合ってたの!?知らなかった!!」
「あんの野郎……テスト前夜に…クソー!羨ましすぎだろ!」
あの二人が帰ったことと、奴が投げ込んだ爆弾の威力がでか過ぎてやる気も何もなくなった面子に……
「どうすんだよ…これ……」
そして……その思わぬ事実にもはや限界を感じたストレスの行き先は……
「また胃薬だな……」
ホントに辞めるかな。この仕事……
ちなみに
「沖田さん……補習抜けてきてよかったんですか?」
「いいんじゃない?どうせ補習はまだあるし」
「そう言う問題じゃ……」
「それで…今日も家に来るよね?」
「またですか……」
「何、やなの?」
「そんなことないですけど……沖田さん強すぎるんですよ……」
「マリカ」(マ○オカートの略)
「千鶴ちゃんって意外と負けず嫌いだよね〜」
「あれだけ負ければ誰だって一度は勝ちたいと思いますよ!」
「それでやり過ぎて腱鞘炎って……ホント馬鹿」
「うー…おかげでテスト中、痛くて痛くて集中出来なかったんですからね!」
「何?僕の所為?」
「そうですよ!」
「……ふぅん?じゃあ、今日は別の事して遊ぼうか?」
「え?別のゲームするんですか?」
「あはは……じゃ、家に行こうか」
「え、ちょっ…沖田さん?」
もどる
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オールキャラ:現代パラレル:ギャグ:土方さん可哀想系
コンプ完了…?
200のキリ番のリクエストです。
ミズキ様、ありがとうございました!
少しでもご希望に添えたでしょうか……?
まぁちょっと虐めすぎた感があるんですけども…(笑)
ミズキ様のみお持ち帰りいただけます。
本当にありがとうございました!
ミズキ様
拍手ありがとうございます!
喜んでもらえてよかったですw