※生まれ変わりネタ
※BADENDネタ

ゆえに死ネタ後の話です








あの日、あの瞬間から……








「ちーづーるーちゃん!」

その声に私は振り向かず無視をする。
毎日毎日よくも飽きないものだ。

「千鶴ちゃん」

私の態度をものともせずに隣に並ぶ人……沖田総司。私のもっとも嫌いな人。

「………」

なおも無視を続ける私に何を思ったのかヒョイっと鞄を取り上げた。

「なっ!!」

「やっとこっちを向いてくれた」

いたずらが成功した子供のような顔で笑う彼。




――その顔を私は何度…思い出しただろう




「……いい加減にしてくれませんか」

静かに…だがはっきりとした拒絶を含ませ彼を睨む。




――あの頃の私ならこんな未来は考えもつかなかっただろう




「何でそんなに僕を嫌うかな…何かした?」

「別に…理由はありません。ただあなたが、」




――あの日、貴方を失った瞬間から私は、




「大っ嫌いなんです」



私の言葉に一瞬目を見開いた彼は次に悲し気に顔をゆがませた。

「……前にも僕は言ったけど、僕は君が好きだよ?」

「知ってます。でも私は貴方が嫌いです」

彼と出会ったのは一月前。




―― 一目で貴方だとわかった




その日から駅のホームですれ違う私達。




――その度に胸が痛くて痛くてたまらなかった




ある日、突然呼び止められ、告げられた言葉。




――あの日と同じ笑顔で貴方は言った




『君が好きだ』




「申し訳ありませんがもう私に近づかないでください」

それだけ言うと彼の顔も見ずに歩き出す。
彼が付いてくる様子はなかった。


……さよなら。






「……ねぇ、君が僕のことを嫌いなのは…僕が約束を守らなかったから?」




その言葉に思わず足が止まった。




――あの日の約束 破られた約束



「君を守る…そう約束したのに守り切れなかったから怒ってるの?」




――蘇る最後の瞬間




夕焼け色の世界はまるであの日の血の色。




「それとも……君を一人にしてしまったから?…千鶴」




――何度思いだしただろうか?最後の言葉




「ねぇ…お願いだから…僕を嫌いだなんて言わないで」

背中に感じるやさしいぬくもり。
あの頃の記憶がまた蘇る。


「僕は君と…今度こそ一緒に生きるために…生まれ変わって来たんだから」

「………離して下さい」

「千鶴…」

その両手から逃げ出す。
そして
顔を見せぬよう、見ぬように…そして……涙見せぬように、

「私は貴方が嫌いなんです」

泣いてることを気づかれぬようそれだけ言って駆け出した。
向う場所なんかない。
ただ、あの人のいないところへ……




――そう 私は貴方を失ったあの瞬間から……





――自分が大嫌いになったから――
















「……また振られちゃった」

ため息をつく。

「でも……」

夕闇に消えていく後姿を眺めて思う。




――きっとこれは君をおいていった罰だから……







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実は両方とも記憶があるんだけど互いに秘密にしているっぽい感じで。(ばればれ?)
千鶴は沖田を死なせたのを自分のせいだと思っていて、自分といれば同じことが起こるかもと避けているわけです。
で、その気持ちを知ってて猛アタックな沖田(笑
(だって千鶴ちゃんは僕のもの)

あのエンドは悲しすぎる…
ぜひとも来世では幸せになってほしい…沖田ガンバ!!