※このお話は某少女マンガ(同じ題名(?抜き))を元にパロってます。
知ってる方も知らない方も読める……はず?
ノリ命です。
私のたった一人の家族だったお父さんが亡くなった。
私は一人ぼっちになってしまった。
……はずだった。
「総司お兄ちゃん、いい加減に起きないと遅刻しますよ?」
「うーん…むにゃ…」
千鶴はもう何度目かもわからない言葉を繰り返した。
……こうなったら最終手段にでるしかない!
「うー…しかたない…」
肩をゆすって起こすしかないかとベッドに近づいた。
「(もうちょい……)」
……実は起こされている張本人はすでに起きていた。
と言うか最初に声を掛けられたときから完全覚醒済み。
「(もうちょいで……ニヤリ)」
この男、極度のシスコンにしてその愛情がかなり曲がってしまっている。
今も何の警戒もなく近づいてくる千鶴を寝たふりをして驚かせようとしているのだ。
「(まずは……そうだな。ベッドに引きづり込んで……)」
ニヤニヤと布団の中でこれからの計画を練る。
差し詰め気分は赤頭巾の狼だ。
「総司お兄ちゃん」
すぐ近くで声がした。そして蒲団が軽く動く。
「(カウント……3、2、いっ…「千鶴、総司のことはほっておけ」
「あ、一お兄ちゃん」
トトトと足音が遠ざかる。
「でも……ほっといたら総司お兄ちゃん遅刻しますよ?」
「自業自得だ。それよりも平助が腹が減ったとわめいている」
「あ、平助お兄ちゃん今日朝練があるって…!」
「ああ。早く食わせて行かせてやれ」
分かりましたと言うと同時に千鶴は階下に駆けて行った。
そして、それを見送った一は……
「…総司、いい加減千鶴に手間をかかせるな」
「……一君、君わざと邪魔したね?」
ごそりと布団から起き上がった総司は不貞腐れたように一を睨んだ。
だがその眼には明らかに殺気も含まれている。
「……さっさと飯にするぞ」
あほくさいと言わんばかりに踵を返し、一も階下へと向かう。
「……ちっ」
気に食わない。まったくもって気に食わないと言いたげに舌打ちをした総司。
実はこの二人、こう見えて……双子だったりもする。
お父さんが亡くなって、遺品の中からある手紙を見つけた。
それはお父さんが私に宛てた手紙。
そこには驚くべき事実が書かれていた。
私には、腹違いの兄が5人もいたのだ……!
「歳三お兄ちゃん、新聞読みながらだと消化に悪いですよ?」
「ん…?ああ、すまない」
長男 歳三
「あ、平助!それ俺の卵焼きだろ!!」
二男 左之助
「ふぁ……眠い…」
三男 総司
「……千鶴、おかわり」
四男 一
「早い者勝ちだってーの!」
五男 平助
「左之助お兄ちゃん、卵焼きならまだありますから!
……あ、総司お兄ちゃん醤油が垂れてます!!
一お兄ちゃん、おかわりどうぞ」
騒々しい朝食。
それさえも私には楽しくて……また家族ができたことを嬉しく思う。
だけど千鶴は知らなかった。
彼らが腹違いなどではなく、まったく血のつながりなど無いことを。
そして……彼らの好意がただのシスコンでないことを……
まだ彼女は知らない。
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おまけ(舞台裏)
沖「だいたいさぁ、何で土方さんが長男なんですか?僕異議有りまくりなんですけど」
土「ああ?別におかしかねぇだろ」
原「まぁ、この五人で兄弟なんて無茶な設定を強行すりゃそうなるわな」
平「…俺としちゃ、一君と総司が双子つーのが一番おかしいと思うんだけど」
斎「……俺も平助に同意する」
沖「甘いよ君たち。僕が言ってるのはそう言うことじゃない」
平「なんだよ。勿体ぶるなよ」
沖「このネタの元になった話って知ってる?あれ、妹がお兄ちゃん(長男)に惚れちゃう話なんだよ?」
土方以外「ええー!!!」(斎藤は無言で目かっぴらき)
原「なんだよそれ!?(長男)って!!」
沖「でしょ?てか土方さん…その反応、知ってましたね?」
土「……」
斎「…副長」
土「なっ、おい斎藤までそんな目で見んじゃねぇ!べ、別に俺は……」
原「別になんだよ」
平「ふーん…土方さん知ってて黙ってたんだ〜。だからなんか余裕だったんだぜ?きっと」
土「余裕って…誤解だ。俺は何も…」
沖「でも僕が千鶴ちゃんにちょっかい出してた時も助けに来たのは一君だったし?」
斎「……」
土「テメェら、いい加減にしろ!!!!!!」
もどる
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もしも、彼らが兄弟だったら……
そんな妄想から生まれたお話。
元ネタは初めに書いたとおり某少女マンガです。
ちなみに
全員(千鶴以外)血が繋がっています
新ぱっつあんも入れたかったけど双子が二組になっちゃうからやめた(悪いな新八…)
土方さん、割とヒーロー位置が嬉しい。
でももし続編を書いても土方落ちとは限らない。(というかたぶんない/酷)
以上!
二月五日 風間 葉